これは私が知り合いの治療院のためにとても難しい東洋医学を「カンタンに」説明するために書いたものです。
治療を受ける時に知っていた方が良いことを中心に書いています。
東洋医学系の治療院をなさっている方へ
コピペしてご自由にお使いください。
治療の一助になれば幸いです。
その際、ご自分の治療院・流派の考え方にあうように変更していただいて結構です。
ご使用になられる時はメールフォームよりご連絡くださいませ。
これから鍼灸で治療をされるあなたはどれくらい東洋医学(中医学)についてご存知ですか?
「不思議」「非科学的」「迷信」と言われることの多い東洋医学ですが、
実は長い歴史の中で膨大な臨床データを積み重ねた奥深い医療方法です。
健康の基本
人は・・・①食物を食べ、水分をとり、②それを消化吸収し、
③そこから得た気=エネルギー、血、水分を滞りなく体中に巡らせ、
④不要なものをより分け排泄させることによって健康を保つことが出来ます。
これは西洋医学、東洋医学他すべての医療方法で共通の考え方です。
日ごろからこの健康の基本に反した生活をしているのに、
治療してもらって「なかったことにしよう」としてもダメなのです。
西洋医学との違い
西洋医学の検査を受けると・・・
2割が健康体=自覚症状も検査数値の異常もない
2割が病気=自覚症状があり、検査数値も異常がある
6割は未病=自覚症状があるのに、検査数値には異常が見られない
西洋医学は
2割の病気の人=自覚症状の有無にかかわらす検査結果に異常がある人の治療を主な目的としています
東洋医学は
2割の病気の人の治療はもちろん、未病の人=自覚症状はあるのに検査数値に異常がない人や
完全な健康体の人の健康を維持する「予防医学」も得意です。
東洋医学 |
|
西洋医学 |
未病も含め症状がある人は全て治療できる
病気予防 健康維持 免疫力強化 |
得意なこと |
検査機器による検査 救急医療
外科手術・薬による治療 |
外科手術はできません
折れてまがった骨を治す等 |
苦手なこと |
未病の治療 筋肉や骨の治療
治療方法が分からない病気の治療 |
身体と心を全体的に治療 |
療範囲 |
内科、外科、耳鼻科など部分的に治療 |
血や気(エネルギー)や水分の滞りを改善し、免疫力を底上げする |
|
出ている症状を薬で「抑える」
身体の悪い部分を外科手術で「取り除く」 |
保険がきかない場合もある
難しくてわかりにくい |
問題点 |
病気ごとにいくつもの「科」を受診しなければならない 薬による副作用 病名などが分からないと治療できない
薬の治療で耐性菌を作り出してしまう |
望診、問診、聞診、切診の「四診」 |
検査方法 |
検査機器による検査
医師による検査 |
鍼灸、漢方薬、薬膳、氣功、指圧・按摩 |
治療方法 |
薬物治療、外科手術など |
「四診」とは・・・
「望診」 顔色や舌の様子を診る
「聞診」 声や咳、言動などを観察する 口臭や体臭をかぐことも含まれる
「問診」 症状の発生時期、原因、経過、既往症、痛みの部位や生活習慣、飲食の嗜好、成育環境、感熱、大小便、口渇、月経などについて聞く
「切診」 脈の深さ・リズム・強さを見る脈診と、患者に触れ痛みの部位や腹部などを見る按診がある
「四診」では何を判断するのか?
陰陽 陰と陽のバランスの崩れ
表裏 表=急性症状 裏=慢性症状のどちらか
虚実 虚症=疲労しやすく体力が衰えている 実証=体力・気力が旺盛で抵抗力が強い
五臓六腑 症状の原因がどの臓器の不調によるものか
外因=六邪 寒邪 風邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪のうちどれが体に入ったのか
内因=七情 喜、悲・憂、怒、恐、思、驚に過度な変化はなかったか
不内外因=生活習慣 小食・過食・偏食などの食生活の乱れや過度な仕事や心労・休息
同じ動作を続ける、体質、外傷など
これらを総合的に判断して症状の原因を見定め、治療方針を立てます
同じ症状でも原因が違えば治療方法も異なります。
一人一人に合わせたオーダーメイドな治療です。
「四診」の結果・・・
自覚症状以外の患者様の体の状態と、
現在出ている症状の原因がどこにあると推測されるのかお知らせします
それらを踏まえて立てた治療方針をお知らせします
患者様本人が日常生活で改善してほしいことをお伝えします
最後に・・・
患者様の体と心は患者様本人のものです。
患者様本人が本気で「健康になりたい」「痛みや病気を治したい」と思わなければ、
どんな医療方法を使ってどんな治療をしても治りません。
治療師は日々精進して腕を上げ、できる限り患者様の力になりたいと願っています。
質問等ありましたらお気軽にお尋ねくださいませ。
どうかお体ご自愛ください。