不登校の原因は心の問題だけでは無いかもしれません 5


不登校になっていたA君は心の問題が原因とされていましたが、
本当は頸椎のずれが原因でした。

何故そのような誤解は起こったのか、
検証の続きです。


3、脊柱側弯症に対する病院の姿勢

脊柱側弯症は75%が原因不明で、
治せない病気とされています。
日本側弯症学会Q&A参照)

運動療法や指圧整体なども含め、
治療効果はないというのが西洋医学の見解のようです。

ひどくなれば矯正器具を付けたり、
手術をする必要がありますが、
そうでなければ経過観察で十分とされています。

けれど可能性として
「高度の側弯では胸郭が著しく変形し、そのために肺の機能が低下します。
その結果、肺や心臓に重大な合併症をひきおこすことにもなります。」
(日本側弯症学会HPより抜粋)
と、あります。

実際A君も胸の苦しさを訴えていました。
それから整形外科的な問題を指摘する医師はいませんでした。


脊柱側弯症の西洋医学での見解は
脊柱につながる他の部位(頸椎など)への影響は
考慮されていないようです。

西洋医学の「人間を部分的にしかとらえない」と言う特徴が
A君が長期にわたって苦しむ原因となったかもしれません。


4、ホリスティックな視点の欠如

はじめA君は咳が出る風邪の症状だと言って、
内科にかかって、薬を飲んでいました。
それは脊柱側弯症と診断された整形外科があるのと同じ病院でした。

様々な検査をしましたが、
それはあくまで内科の視点から見た検査であり、
整形外科の範疇の脊柱側弯症と結びつけはしなかったようです。

素人ならば「同じ病院なのに」と考えがちですが、
人間を部分的にとらえる西洋医学では、
他の科の病気をつなげて考える医師は、
いるかもしれませんが、
私は今まで出会ったことがありません。
また、専門外のことはわからないという医師も多いと経験上思います。

つなげたとしても、
軽度ならば支障はないとされている以上、
それが不登校の原因だとはされなかったでしょう。

この問題に関係した人すべてが、
この世に医療方法は西洋医学しかないと
当たり前のように思っていました。

病院の検査で異常なしと言われたら、
あとは精神的なものしかないと考えるのが、
普通でした。

もし、ほかにも医療方法があると
当たり前に考えていたら、
A君は嫌な思いをすることなく、
不必要な向精神薬を飲まされることもなく、
問題が解決していたかもしれません。

高3と言う大事な時期に長期にわたって休む必要はなかったのです。

鍼灸治療や指圧整体などへ行けば、
脊柱側弯症の問題にすぐに気が付いたでしょう。
頸椎のずれに関しては、
治療師の経験値によって左右されるようですが、
少なくとも「心の問題」だけが原因だとはされなかったかもしれません。

ただし西洋医学がダメだというのでは、
決してありません。
西洋医学も多くの命を救っている、
医療方法の一つです。

現在では総合診療科が大きな病院に開設されているところも多いです。
私も一度受信しましたが、
印象として他の科とは違い、広い範囲にわたって患者の話をよく聞いてくれました。
この件の時には総合診療科は一般的ではありませんでしたが、
あればもう少し早く問題が解決していたかもと思います。
治療出来たかどうかは別ですが。

薬剤過敏症で病院で異常なしとされることも多い私でも
誰かが病気だとしたら、まず病院の検査を勧めます。

けれど、明らかな症状があるのに
病院の検査で異常なしと言われたら、
大抵の人はそこであきらめるか、
精神的なものとするかではないでしょうか?

精神的なものとする前に、
他の治療法の治療師の診療を受け、
治療してはどうでしょうか?

つまりホリスティックに人間をとらえる視点が一般的になれば、
A君のように苦しむ人はきっと減るでしょう。

大事なのは病気や痛みで苦しんでいる人が健康になること。
治療法が何かではありません。

同じ「人の痛み・病をいやす、もしくは健康を守る」のを目的にしているのなら、
隣に並ぶ医療法を否定するのではなく、
ともに協力して一つの目的へ向かってほしい。

そう切に願います。


私が検証したものはこれだけです。

今も不登校や心の問題で苦しんでいる方の
何らかのきっかけになればと思っています。

この世に医療方法は一つだけではありません。
どうかよき出会いがあなたにありますように。