KEEP「クラシック音楽」

メニエール病を患ってから、
それまで聞いていたポップス音楽などが聞けなくなった。
現代のものは必ずと言っていいほど電子音が使われており、
その電子音によってめまいが起こることがあるからだ。
すべての電子音で起こるというわけではない。
車などの閉ざされた空間の中、
一人で集中して聞いている場合には、
たいていの場合めまいが起こる。
携帯電話の着信音などは時間が短いので大丈夫だと思う。

そういった事情から、
人のすすめもあり、クラシック音楽を聴くようになった。
ちょうど娘がピアノを習っていて、
発表会用の曲の参考に、いくつかCDを買っていた。
以前からBGMとしてクラシック音楽を聴いていたので、
手元にも何枚かCDがあった。
ちょうどクラシックブームでもあった。
それらの環境が私をクラシック音楽の世界へといざなった。

メニエール病は大変な病気であるが、
このことに関しては感謝している。

何百年も前の何万回も繰り返し演奏されている音楽が、
人により全く異なった表情を見せる。
同じ人でもその都度違う。
何度も繰り返し聞いているうちに、
その奥深い世界に魅せられた。
入り口からほんの少しだけ垣間見た程度だが、
その世界は魅力的だった。

今では精神的な癒しにも必要不可欠なものになっている。
今一番好きなのはシベリウスの「タピオラ」という交響曲で、
いつかシベリウスの生まれたフィンランドにぜひ行きたいと思っている。


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