スピリチャル

私の父方の親族は強弱の差こそあれ皆霊感があり、
それが普通のことだった。
たとえ目には見えなくても幽霊は普通にいるし、
神も仏もキリストさんもみんなお前を守ってくれる良いものだから
手を合わせることを忘れてはいけないと言われて育った。

私の場合は金縛りも、幽霊も、予知夢も経験していたし、
何者かが背中の肩甲骨の間辺りから出入りするような感覚もあった。
だが、高校を卒業する頃から霊感といったものを否定し始めた。
霊感を振りかざし人を脅かすだけの人達にうんざりしていたからだ。

それを肯定できたのはほんの数年前、
丁度スピリチュアルブームの頃だった。
私の趣味の一つは読書なのだが、ある年、
「スピリチュアル」をテーマに本を読むことにした。
それまでの間にも幽体離脱や、予知や、
龍を見るといった体験をしていたが、
ひたすら「気のせいだ」と思おうとしていた。
逃げ切れないほどそういった体験が身の回りにあり、
ここいら辺で一度正面から向き合ってみようと思った。
又、「スピリチャル」と言う一つのテーマで書かれている
本の共通点と相違点を比べてみたいという好奇心もあった。

面白かったのは日本人が書いた本は
「霊とは怖いものであり、追い払わなくてはならない。」
と書かれているのが多いのに対し、
海外の本は霊が家族にメッセージを送ったり
助けたりといった暖かい話になっていたり、
チャクラや瞑想、オーラ、
UFOからのメッセージといった内容のものが多かった事だ。
私は人がこの世に生まれた意味や死後の世界や
魂そのものについて書かれたものを中心に読んだ。

しかし、本の内容にはまったく関係なく、
ある日すとんと「そういうこともありでも良いか。」と思えた。

スピリチャルな現象をアスペルガー症候群という視点で言えば、
統合失調症的な症状の一つの妄想や幻聴と言うことが出来るし、
HSPと言う視点で言えばHSPの特徴のひとつ超感覚過敏と言うことが出来る。

こういった現象を盲信し何かにつけ
霊現象に結び付けようとする人もいれば、
非科学的で話す価値のないものと切り捨てる人もいる。
どちらも両極端だが、発想は同じ、
考えようとしないということである。
霊現象だというならどのような仕組みで何故それが起こっているのか教えて欲しい。
非科学的だと言うなら、私の身に起こるこれらの現象について
「何故起こるのか?」説明して欲しい。

一説によると脳科学が発達すればわかる日が来るかもしれないそうだ。
そのときはぜひ、霊的なことにタブーと言うものを設けないで
すべてにおいて解明して欲しい。
タブーを儲け、科学と非科学の間に線を引くことは
その分野に限界を設けることである。
それではアニメを普通に見て育ってきた現代の若者には
科学が魅力のないものに映ると思う。
優秀な若者が科学ではなく
アニメーションやゲームの世界に入っていくのは
そこにタブーが少ないからなのではないだろうか?
それらは「非科学」ではなく、
今はまだ解明されていない「未科学」として研究し、
科学の地平を切り開いてほしいと切に願っている。

追記
その後、更に色々な本を読んで、
科学の最先端にいる人ほど、
この科学では説明できない領域を解明しようとしていることを知った。
この世のすべてはいつか解明できる。
すべては同じ、一つのもの。
すべて、この世に存在するもの。
たとえインチキがあっても、必ず暴かれる。
だから、「ありえないこと」はありえないのだ。


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