右と左

アスペルガー症候群について本などで書かれている特徴については、
発達障害のある無しにかかわらずすべての人にどれかが当てはまると思う。
そういう目で見るとすべての人が発達障害に見えてしまうが
アスペルガー症候群の本質は外から見て判るものではなく脳のちがいである。
発達障害があったとしても他者への気遣いや、
思いやりと言ったものは必要だし、
持つことが出来る。
必ずしも他者を困らせる行動をとる人がすべて発達障害というわけではない。

発達障害児童支援センターの先生によると、
子供の頃からの周囲の働きかけで障害のない人と同じようになるのだが、
発達障害があるとわかったとたん、
親のほうが「障害なのだから仕方がない」と
子育てを放棄してしまう人が少なくないそうだ。

また、N医師によると「発達」障害なので
本来なら普通に発達する部分が発達しにくいけれど
自分で気がつけばある日突然出来るようになるそうだ。
実は私にもアスペルガー症候群の特徴と言えるものがいくつか当てはまり、
その後改善したものがある。

その一つが右と左を間違えてしまうことだ。
右手にAさんのコップ、左手にBさんのコップを持って
それぞれに渡そうとすると9割以上の確率で反対に渡してしまう。
ずっと何故なのだろうと思っていたのだが、
それがアスペルガーの特徴と判ってから、
特別に気をつけたところ間違える確立は5割に減った。
それが視覚的に示されている場合はほとんど間違えないのだが、
「右」「左」と言葉で支持されたり、
頭の中で「右」「左」と言葉で考えた場合、間違える。

ある日、アスペルガー症候群の知人と話していて、
やはりその人もそうだと知ってうれしかった。
少なからず、「自分はおかしい」と感じつつも誰にも話せず、
直せずにいたことがお互いに判ったからだ。
 
そんな風にアスペルガーの人は
「自分はおかしいのではないか?」と感じつつも
誰にも言えないでいることがあるのだと思う。
しかも、自分がアスペルガーだと気がつかないままに。

気がついたほうがいいのか、
気がつかないほうがいいのかは、
私は人によると思っている。
アスペルガーだからと努力を放棄し、
自分は障害者だからと他者に理解を強要する人は、
気がつかないほうがいいのではないかと最近思う。

 

 

ブログに添えられた文章から

「本文にも書きましたが、
アスペだと気がついたほうがいいかはその人しだい。
でも、アスペだからと言って迷惑をかけていいことには、
断じてならないと思っています。」