「森の入り口」

 

 

それは深い深い森。
日の良くあたる、輝く緑の葉を茂らせる樹もあれば、
一年中薄暗い場所に生える樹もある。
時に花を咲かせ、木の実を誇らしげにみのらせる。
秋に美しく葉を染め上げ、
その葉を北風にさらわれることもある。
細い枝をふるわせる樹もある一方で、
緑色の葉をつけたまま何事もなかったかのように
そこにたたずむ樹もある。

それらの樹の一本一本を眺め、触れ、香りをかぎ、
地面の下に遠く遠く何かを求め伸びる根に思いをはせ、
静かに、けれど力強く吸い上げる樹液の音に耳を澄ませるように、
私を取り巻く一つ一つの事柄にまつわる文章を書いていこうと思う。
時にはもう枯れた樹や、これから芽吹こうとしている樹もあるかもしれない。

これは、私の中にある森への探検であり、冒険であると同時に、
これを目にするあなたの中への探検であり、冒険でもある。

 

 

ブログに添えた文章から

「最初の文章として書いたものであり、
これから何をどのように書いていくのか?を
私自身に宣言するために書いた文章です。」

 


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