薬剤過敏症

医者に直接それと言われたわけではないので、
そういってしまっていのかどうかわからない。
ただ、過去の服薬時に起こった副作用について話すと、
「かなり敏感なんですね」と言われ、
医師は治療できないと言う。

また、HSPの症状としてありとあらゆるものに過敏で、

薬もその例外ではないとされることから、

薬剤過敏症であることは間違いないようだ。


抗生物質でじんましん。
それは半年以上続いた。
解熱鎮痛剤で腹部の激痛。
痛みはなくならないのに、胃の痛みは1か月続く。
鼻水止め(抗アレルギー剤)で、
極度の眠気で運転に支障が出る。
湿布薬でかぶれるというよりはただれる。
「気の持ちようだから」と出された精神安定剤で、
飲む前はなかった錯覚や幻覚がでて、
運転中に事故を起こすところだった。

薬には副作用があるということは知識として知っていた。
そういう過敏な人がいることも。
むしろ「神経質な人」と軽蔑してさえいたかもしれない。
だが、自分もそうだとは気が付かずにいた。
自分を振り返って、冷静に分析するということが出来なかったからだ。
薬を飲めば飲むほど具合が悪くなる。
2週間たっても症状は改善せず、
症状が消えたころにはそれが薬の効果なのか、
自然治癒力によるものなのかわからない。

実はいつのころからか、薬を飲むのは気が進まなかった。
言い訳のように薬を飲み忘れたふりをしていた。
薬を飲まないことは環境によっては、
「病気を治したがらない」と言う非難の対象になる。
しかしそれは本能的なことだったのかもしれないと今では思う。

気か付いたのは子どもが薬に敏感だと医師に言われたことからだった。
それまでも子供が薬を飲んだ後で湿疹が出ても副作用ではなく、
「湿疹」と言う別の病気だと思っていた。
抗アレルギー剤などで一日中眠っていても、
「疲れているからだ。だから風邪気味で鼻水が出るのだ」
と、思っていた。
あるとき高校生の長男が小学生並みの量の薬を飲んでも、
一日中昏睡と言っていい状態になり、
医師に「極度の薬剤過敏」と言われた。
その時初めて、自分ももしかしたらそうなのではないかと思った。

一度そういう視点を持つと、
今まで見過ごしてきたことが見えてきた。
「医者が出すものだから大丈夫」と
思い込んでいただけだということがわかった。

薬には副作用がある。
それは薬の説明書にそえられたただの文章ではなく、
実際に人の体に変調をきたすものだ。
医師はよくわかっているのかもしれない。
副作用のことを話すと、
決して薬を出そうとはしないからだ。
医師ではない人たちは以前の私のように思い込んでいるのだろう。
「でも薬なんだから無理をしてでも飲め」と強要する人が多い。
「神経質なだけだ」と。

全く、以前の私のように。

今はよほどのことがない限り、薬は飲まない。
それでなくてもつらさの多い体に負担をかけたいくないからだ。
薬を飲むということは内臓に重労働を強いるということでもある。

どれだけ多くの人が、自分は大丈夫だと思い込んで
あるいはほかの病気だと勘違いして薬を飲み続けているのだろう?

ある意味での弱者になることは
新たな視点を私に、人に与えてくれる。
その時、どうするのか?

私は目をつぶらずに、
しっかりと開けていたいと思う。


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